「査読」とは?
他研究者や同分野の専門家による評価・検証のことを指します。研究者がジャーナルに投稿した論文が掲載される前にジャーナル側で行われます。
学術論文誌などでは、寄せられた原稿がすべて掲載されるわけではなく、掲載の前に原稿の価値を確認するため、予め同じ分野の専門家を査読者に指定し、評価をしてもらうことがあります。これが査読です。査読の評価結果によって、掲載か不掲載かが決定されることになります。
「査読」の流れ
投稿
研究者が自分の論文をまとめ、編集部宛に送付する。郵送のみならず、現在では電子投稿に限定している場合もある。また情報科学などの一部の分野では研究に使った実際のプログラムコードなどの提出が求められる場合もある。
原稿を受け取った編集者は、著者に受け取ったことを知らせる (received)。ここからこの論文は投稿中 (submitted) になる。ただし、この段階では論文が掲載されるかどうかは確定していない。
また、ネイチャーなどの一流雑誌では、査読の前に編集者による事前レビューが行われ、価値が低いと判断されると査読にまわされる前に原稿が返却されてしまう場合もある。
査読者の選定
原稿を受け取った編集者は、ふさわしい査読者を探し、査読を依頼する。通常、査読者が誰なのかは、著者には知らされない。
査読者は、論文の分野と同じ分野で活動している研究者から1名以上が選ばれる。著者との独立性が重視されるので、共同研究者や同僚などは避ける。一般的には、その雑誌に過去に投稿したことがある人物や、引用文献として名前が挙げられている人物に依頼することが多い。
査読
原稿を受け取った査読者は、内容について審査を行う。この際に、査読者同士も他に誰が査読者かは明かされず、完全に独立した立場で仕事を行うことになる。
最終的には論文に対しての疑問点や改善点などをまとめ編集者に返送する。
査読の結果は以下の4つが挙げられる。
「Accept」 論文をそのまま受理してよい。
「Minor revision」 若干の修正の必要あり。正しく修正されれば、掲載しても良い。
「Major revision」 大幅な修正の必要あり。著者による修正後、再度査読が必要。
「Reject」 掲載拒否すべき。
採否の決定 編集者は、査読者の意見を元に、原稿を掲載するかどうかを決める。一般的には編集者の判断においては査読者の意見を受け入れる義務はないが、査読者たちの評価が全員major revision以下であれば掲載拒否になる場合が多い。
結果の通知
編集者は著者に採否を連絡する。
採用の場合は査読者のコメントが一緒に送られる。多くの場合、多かれ少なかれ、論文の訂正を要求される。著者は査読者からの疑問点や改善点に対し、原稿の訂正 (revise)
を行い、編集者に返送する。もし訂正が十分でなかった場合、再び査読にまわるおそれがある。
不採用の場合は、掲載拒否 (reject)
を告げる。この場合、査読者のコメントも返却されないことがある。不採用の場合はここでこの雑誌への投稿プロセスは終了。著者は他の雑誌に再投稿するか、あるいは発表を諦めることになる。
「査読」の対策
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